被害者であり加害者でもある苦悩は計り知れない(カルト宗教について)
安倍元首相暗殺事件を機に、メディアで取り上げられるようになった本件。
ちょっとだけ思うところを書いてみたい。
一言で括ってしまえば「カルト宗教の詐欺被害」って訳なんだけれども。
これって非常に身近で根深い問題だと思うんだな。
事実、今まで見過ごされてきた宗教虐待や宗教二世問題を含む、複雑なトピックに発展している。
カルトとか宗教とか、そんな見え透いたウソに騙される方が悪い。
結論は単純なのかもしれないけど、実際に騙される人が大勢いたんですよ。
そして現在進行形で騙されている人がたくさん居る。これも事実。
そんな中で一連の報道と解散命令請求。
宗教と縁もゆかりもない方々は「これで信者にウソに気づくだろう」と思うかもしれない。
でも現実は真逆で、信者たちはマインドコントロール状態を強める。
彼ら、彼女らは「迫害されるのは自分たちが正しいからだ」とインプットされているから。
マイコンを解くことができて教団のウソに気づいたときには時すでに遅し。
人生を浪費して家族や人間関係も財産も失って、場合によっては借金まみれってことも。
周囲の人からは奇異な目で見られ、加害者として白い目で見られもするだろう。
さらに自分は被害者であると同時に加害者の立場でもある。
友だちを勧誘して引き込んじゃったかもしれないし、お子さんが居たらお子さんの人生も。
今まで「救い」であったり「真理」だと思い込まされていたアイデンティティは完全に崩壊している。
考えるだけで吐き気がするし、そこには絶望しかない。
この問題について社会に望むこと、そんなに多くないのですよ。
まず身近な危機として、社会にはカルト問題に関心を持ってほしい。
だって社会やメディアは「宗教」と見るや無関心、または見て見ぬ振りをするんだよ。
カルト側が信教の自由を根拠に「我々の自由に干渉するな」と圧力をかけるから仕方ないけれども。
現実に苦しんでいる被害者が、今もいることを忘れないでください。
そして今後も議論を深めて、正しくカルトが定義づけられ、社会から排除されることを強く願う。
時間がかかったとしても、どんなに大きな痛手を負ったとしても、排除しなきゃいけない。
そのとき初めてカルト被害者救済のスタートラインに立てるのだと思う。
まだまだスタートラインは遠くにあるけれども、手の届かない場所ではない。
今回の解散命令請求は、スタートラインに立つための一歩だ。
そうやって着実に歩みを進めて、社会全体でカルトに断固とした「NO」を突きつけましょ。
たいせつな人がカルトの人質に取られてからでは遅いんですから。
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