コンプライアンスと思念と監視社会
「コンプライアンス」を日本語に直すと「法令遵守」となる(=主に企業が社会規範に反することなく、業務遂行すること)
でもIT従事者は、コンプライアンスを少し違った意味合いで使う。
たとえば「ソフトウェアのライセンス数を守りましょう」とか「業務外のインターネット利用は禁止します」とか「私物スマホの職場持ち込みは禁止します」とか、主にパソコン周りのピンキリな禁則事項を指すのだ。
思えば一昔前は「コンプライアンス」の「コ」の字もなかったように記憶している。
わたしがネットで知り合ったパソコンの師匠は、いつも会社のパソコンからメールを送ってきた。
社内PCに勝手にソフトウェアをインストールしたり、プライベートなメールを送受信するのは日常茶飯事。
業務時間内にバリバリチャットしたり、ましてやFTP経由でホームページ更新やプログラミングしていた (笑)
でも時代は変わった。
高度情報化社会の今、どこに第三者の目があるか判らない。
お客さまから晒されたりする危険性もあるし、ウイルス感染の危険性も紙一重。
最悪の場合、企業全体が社会的評判を失墜するご時世になってしまった。
要するに「コンプライアンス」って「後ろ指を指されないための保険」的な側面が強いのだ。
これはつまり「Webのある風景」が日常になってしまったということなのだろう。
我が国のスマホ所有率は70%を超え、もはやインターネットはガスや水道や電気のような「普通のインフラ」になってしまった。
そこら辺の小学生でも、手のひらの中の小さな端末からネットにたやすくアクセスできるのだ。
普遍化したインフラは誰かが明示的に律されなければ、あっという間に無法地帯になってしまう。
コンプライアンスが煩く叫ばれるのは、時代の流れの必然である。
おそろしく堅苦しい時代になってしまったものだと、わたしはしみじみ思う。
インターネットって、本来もっと自由な表現の場なのである。
編集後記的なもの
近い将来、革新的な技術革命が起きて、思念で操作できるパソコンが開発されたりしたら面白いですね。
たとえば人の脳に直接インプット・アウトプットできるパソコンとか。
それって考えるだけでもワクワクする。
たぶんわたしは、(金額にもよるけど)真っ先に飛びついてしまうんだろうな。
ほら「電脳化ネタ」って、よくあるSFモノみたいじゃないですか (笑)
でも今の流れで行くと、真っ先に「コンプライアンス厨」の標的になるだろう。
つまり思念まで監視の目に晒される可能性がある訳だ。
そんな退屈な未来ならクソ食らえだと、割と真面目に思う。
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